夏休みや冬休みの自由研究テーマとして、3Dメガネの作り方とまとめ方について紹介します。3Dに見える仕組みや手作り3D画像の書き方もお伝えしますので、自分で作った3Dメガネで、手作り3D画像を見て、飛び出す絵を確認してみましょう。自分でも3D画像・3D映像を作ることができる不思議な自由研究です。小学生の低学年から高学年が対象になると思います。

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3Dメガネの作り方の基礎データ

難易度 簡単
対象 小学生低学年以上
期間 30分~1時間
テーマ 工作
費用 200円

図面通りにメガネ部分を切り抜き、セロハンを貼り付けるだけで3Dメガネを手作りすることができるので、工作として簡単です。ただし、カッターやハサミで切り抜くのでケガをしないように注意しましょう。作成時間は30分~1時間で作ることができます。

費用は、厚紙とセロハンを100円ショップで買い揃えたので200円で作ることができましたが、他にも準備しないと手元に無いというときには、もう少し費用が必要になります。でも、セリアやダイソーなどの百均で買い揃えることができるので必要なものをすべて準備しても価格は500円程度で済みます。

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用意するもの

材料 個数
厚紙 1枚
カラーセロハン(赤・緑) 1枚ずつ
水性ペン(黒・ピンク) 1本ずつ
蛍光ペン(黄緑) 1本ずつ
はさみまたはカッター 1個
コピー用紙 2枚
ものさし 1個
えんぴつ 1本
のり 1個

厚紙で3Dメガネのフレーム部分を作りますが、代用として牛乳パックやダンボールを使っても作ることができます。厚紙をわざわざ買わずに、家にある厚みがある紙があれば代用品として使えますのでリサイクルして3Dメガメの工作に使ってみるのもいいと思います。

赤と緑のセロハンが無いと3Dメガネとしての原理を使って、書いた絵を3Dで見ることが出来ないので、100円均一などのショップで購入しましょう。

3Dメガネの型紙

3Dメガメの作り方

3Dメガネのフレームを作る

厚紙に3Dめがねの図面をえんぴつで書いて、カッターやハサミで切り抜きます。

厚紙から3Dメガネの外枠のみを切り抜いたのが、画像の上半分です。さらに、黒く色を塗った部分は不要な部分なので、黒い部分も切り抜きます。

セロハンを眼鏡の形に切り取る

百均で購入したカラーセロハンの中から緑と赤のセロハンを抜き取り、3Dメガネの形に切り取ります。今回用意したセロハンは、折り紙と一緒の大きさで、3Dメガネの幅に丁度良い感じです。

【準備するセロハンの枚数】

・赤色セロハン・・・2枚
・緑色セロハン・・・3枚

3Dメガネにセロハンを合わせて、下の部分に黒いペンで線を引くとことで簡単にセロハンの切り取り線を書くことができます。

3Dメガネの形に切り取ったセロハンは真ん中で切ることで2枚出来上がりです。緑色のセロハンは3枚必要なので、片側だけの型をセロハンに書き写して、同じように切り取ります。

赤いセロハンも同じように切り取ります。100均で購入したカラーセロハンの中には、赤色のセロハンはなく、ピンクしか無かったので、ピンクのセロハンを使いました。

3Dメガネを製作した結果、ピンクのセロハンでも立体的に絵が飛び出して見えましたので問題ありません。

3Dメガネのフレームにセロハンを貼り付ける

3Dメガネのフレームに、緑と赤のセロハンをのりで貼り付けます。貼り付けるときの注意は、左目に赤いセロハン右目に緑のセロハンを貼り付けるようにします。赤いセロハンは2枚重ねて、緑色セロハンは3枚重ねて貼り付けます。

3Dメガネのフレームを真ん中で折り曲げて、セロハンを挟むように糊(のり)や接着剤でとめます。

3Dメガネのフレームに耳かけを付ける

メガネのフレームの左右にある1cm幅は、耳かけを貼り付ける部分になります。内側にのりを塗って、耳かけを貼り付けて固定します。

3Dメガネのフレームに耳かけを取り付けた状態です。

3Dメガネは、厚紙で出来ているので、おしゃれではありません。色を塗ったり、絵を書いたりしてかわいいデザインにしてみるといいです。

3Dの絵やイラストの書き方

【下書きをする】

まずは、コピー用紙に下絵を書きます。鉛筆を使って書いた上に黒い水性ペンでなぞってもいいですし、直接下絵を書いてしまってもいいです。

【下絵をコピー用紙に書き写す】

少し分かりにくいかも知れませんが、下絵の上に白紙のコピー用紙を重ねて、下絵にそってピンクの水性ペンでなぞっていきます。写真は下絵の上に、白紙のコピー用紙を重ねてなぞっている途中の写真です。

ピンクの水性ペンでなぞり終わった状態です。

下絵無しで直接、ピンクの水性ペンで書いてしまっても大丈夫ですが、書き直しが出来ないので、まずは消しゴムで消せる鉛筆やシャープペンシルで下書きをしたほうが綺麗に3Dに見えるイラストを書くことができます。

【飛び出す絵の書き方】

下絵用に書いた黒い水性ペンのイラストと、ピンクの水性ペンで書いたイラストの紙を重ねた状態で、上にあるピンクの水性ペンで書いたイラストを左に2~3mmずらして、黄緑の蛍光ペンで下絵をなぞります。すると、画像のように左側にピンクのイラスト、右側に黄緑の蛍光ペンのイラストが描かれます。

1.下絵の上に、ピンクの水性ペンで書いた絵を重ねる

2.ピンクの水性ペンで書いた絵を「左」に2~3mmずらす

3.飛び出すように見せたい絵だけを黄緑の蛍光ペンで書く

【飛び出さない絵の書き方】

飛び出さない絵は、ピンクの水性ペンで書いた線の上を、黄緑の蛍光ペンでなぞります。ピンクと黄緑の色が重なる状態になります。上記の【飛び出す絵の書き方】の写真と見比べると分かりますが、雲やパラソルなどの色が若干違うのが分かりますかね。

1.ピンクの水性ペンで書いた上から、黄緑の蛍光ペンでイラストの線をなぞります

【奥に見える絵の書き方】

3D画像なので、飛び出して見れる絵しか考えていませんでしたが、書き方を変えることで奥に見える絵を描くことができます。そこで、画像中心に船のイラストを追加しました。この船の絵は、飛行機とは違い飛び出す絵ではなく、奥に見えるにします。

1.下絵の上に、ピンクの水性ペンで書いた絵を重ねる

2.ピンクの水性ペンで書いた絵を「右」に2~3mmずらす

3.飛び出すように見せたい絵だけを黄緑の蛍光ペンで書く

3Dメガネで3Dの絵を見てみる

3Dメガネをかけて、3Dに見えるように書いた絵・イラストを見てみましょう。「すごい!ちゃんと飛び出して絵が見える!」と子供は喜んでいました。飛び出す絵と奥に見える絵、飛び出さない絵の3つがあったほうが、より立体的に見えるようです。

今回、書いた絵では次のような感じでバランスを取りました。

飛び出す絵・・・飛行機と紙飛行機
奥に見える絵・・・船
飛び出さない絵・・・雲・パラソル・海岸線

3Dに見えないときに確認すべきこと

折角、3Dメガネと3Dに見える絵を書いたのに、3Dに見えないということがあります。3Dに見えない原因として考えられることを2つ確認しましょう。

【線の太さが違う】

ピンクの水性ペンと黄緑の蛍光ペンの線の太さを同じにして書きましょう。ピンクの水性ペンよりも黄緑の蛍光ペンのほうが細すぎたり、太すぎると3Dに見えない原因になります。

【ピンクと黄緑の線の間隔】

「飛び出す絵」または「奥に見える絵」にするためには、ピンクの水性ペンの線と黄緑の蛍光ペンの線の間隔が大切になります。離れすぎていても、近すぎても3Dに見えませんので、ピンクの水性ペンの線と黄緑の蛍光ペンの線の間隔は2~3mmで描くようにします。

3Dメガネの仕組みとは?

3D画像 飛び出して見える映像 飛び出して見えない映像 奥に見える映像
仕組み
見え方
原理 視線が手前で交差することで、物体が紙よりも手前に見えることから飛び出して見えます。 視線が交差する位置が紙の上なので、紙と同じ位置に絵が見えます。 視点が交差する位置が紙よりも後ろの位置になるので、絵が奥にあるようにみえます。

3Dに見える原理は、人間の眼の仕組みを利用したものです。人間の眼は、左右に離れているため、右目と左目で見え方が少し違います。この左右の目での見え方の違いを視差と呼び、両眼で見え方が違うことで脳が、空間の奥行きを認識します。

なぜ、3Dに見えるのか?

3Dメガネに貼った赤と緑のセロハンと、絵に使ったピンクと黄緑のペンが、イラストを立体的な3D映像に見せる要因です。左目に赤いセロハンを貼ることで、絵のピンクの線が消え、緑の線が見えます。右目に緑色のセロハンを貼ることで、絵の黄緑の線が消え、ピンクの線が見えます。このように、左目と右目で見える絵を脳がまとめることで、立体的に見ることができます。

【映画館で使われている3D方式】

システム RealD
(リアル・
ディー)
Dolby3D
(ドルビー・
スリーディー)
XpanD3D
(エクスパンド・
スリーディー)
IMAX3D
(アイマックス・
スリーディー)
3Dメガネ 円偏光
フィルター
方式メガネ
波長分光
フィルター
方式メガネ
アクティブ
シャッター
方式メガネ
直線偏光
フィルター
方式メガネ
特徴 右眼左眼それぞれ「72 コマ/ 秒」というハイスピードで、シルバースクリーンに映像を再生することにより、画面のチラつきも解消した快適さが特長 。円状の偏光+偏光フィルムを貼ったメガネで鑑賞する。メガネは回収しないケースが多く、映画館などで配られたものを持ち帰ることができる。 右眼左眼それぞれに、波長の長さを変えて光を送り、さらに波長分光フィルターメガネをかけることによって、左右の眼に別々の映像を見せてくれる形式。色の再現度の高さや、通常スクリーンでも上映できる点も、高評価のポイント。メガネは制作の手間やコストから高額で、映画館で上映後は回収している。 スクリーンに、右眼用、左眼用の映像を1コマ置きに表示し、さらに液晶シャッターメガネで、表示されている反対側の視界を閉ざすことで立体感が出やすく、大画面・大迫力を楽しめる。ゴーストが少なく席を選ばないという特長もあるが、メガネが重く、光量も不足しがちなため画面が暗いというネックも。 Real D と同じ偏光フィルターメガネ方式だが、直線偏光が使われている。画面の明るさ、立体感に特に優れる。メガネは軽く、掛け心地もよい。短所は偏光方向が垂直方向と水平方向のため、顔やメガネが傾くと立体視できなくなる、またゴーストが出やすく席の場所を選ぶ。

疑問に思ったこと

目が悪い人は、眼鏡の上から3Dメガネを掛けて見る必要があります。3Dメガネが度付きであればいいですが、度付きレンズではない場合は、メガネを付けたまま見ることで視界を確保でき、はっきりと3D映像を見ることができます。3Dメガネを利用して映画などをみるときに気になることが、「何歳から見ていいのか?」や「視力低下するの?」といったことが気になり、調べてみました。

3Dメガネで映像を見るときは何歳から見ていいの?

明確な基準はなく、調べてみると何階から見ても問題ないという人と、眼の発達は6歳くらいまでにおおよそ発達が完了するので、発達が終わる6歳以上になってから見せるほうが良いという人もいます。疑問に思った次の「3Dメガネを使うと視力低下するの?」でも触れますが、眼への負担が大きいので6歳未満の小児には、見せないほうがいいかも知れません。

3Dメガネを使うと視力低下するって本当?

3Dメガネを使ってみる、3D映画を観たら視力が低下したという話を聞いたことがあります。3D映像は視力低下につながる可能性があるということみたいです。というのも、目が疲れやすいということが視力低下の要因になっているのでは・・・ということです。普段、目にしている画像とは違い、左右の眼に別々の画像を見せることで立体的に見せることができますが、普段と違う見え方をするので、眼には予想以上の負担となりますし、映画であれば2時間前後は眼に負担を掛けっぱなしになるため、疲れの大きな原因になります。この眼精疲労が視力低下につんがるのではないかと言われています。

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まとめ

自由研究のテーマとして、3Dメガネを自作して、3Dイラストも自分で書いて見ることができました。でも、ただ作るだけではなく、自由研究のまとめ方としては、仕組みや原理、疑問に思うことなどを調べてまとめることで、小学生の高学年でも取り組むことができる課題になります。低学年の子供のときは、工作として作り方をまとめるだけでも良いと思います。

また、小学校高学年の子供なら、「 3D写真の自由研究 」に挑戦してみるのもいいと思います。仕組みは変わりませんが、内容が少し難しいので、5年生や6年生または、中学生が取り組むことができる内容になっています。

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