暑い季節になるとお弁当のご飯のニオイが酸っぱいニオイがしたり、食パンなどにカビが生えたりします。梅雨や夏の時期のお弁当には食べ物が腐らないようにするために梅干しを入れたりします。梅干しにはカビを生えにくくする抗菌作用があるため、昔から行われていますよ。自由研究テーマとしてカビが生えにくい食品は梅干しのほかに何があるのか、カビの生え方の観察、研究方法、まとめ方についてお伝えします。

[ad上]

食べ物に生えるカビを防止する食品の実験基礎データ

難易度 簡単
対象 小学3年生以上
実験期間 7日
テーマ 実験
費用 0円

実験方法は難しいことはありませんが、カビが生えるまでの日数が必要なので、短期間でできる実験ではありません。でも、準備だけして、あとは1日ずつ観察していくだけなので実験方法や確認すること、まとめ方によって小学校3年生からでもできるます。中学生や高校生になったら、いくつかの実験を合わせて行ない実験をまとめるといいです。

[ad中]

用意するもの

材料 個数
食パン 2枚
プラスチックコップ 10個
アルミニウムはく 10個
輪ゴム 10本
サランラップ 1個
厚紙 8cm×20cm
とうがらし 1本
こしょう 適量
食塩 適量
からし 適量
にんにくチューブ 適量
わさびチューブ 適量
しょうがチューブ 適量
梅干し 適量
レモン汁 適量

食パンの枚数は、実験に使う食品の数によって異なります。今回は、10パターンでカビの生え方の観察をしようと思っていますので、コップなども10個にしています。使う材料は適量にしていますが、実験を構成に行なうために、分量は揃えたほうがいいと思います。1gか2gで統一するといいと思います。

食べ物に生えるカビを防止する食品の実験方法

目的・きっかけ・動機

毎朝、食パンを食べていますがパンにカビが生えていました。賞味期限までにはまだ日付があったのにカビが生えてしまって食べられなくなってしまいました。カビが生えるのが早いなぁと思いましたが、ジメジメした梅雨の時期や暑い夏などはカビが発生しやすい時期です。お弁当のご飯やおにぎりも傷みやすいので、一緒にどんな食品を入れておいたらカビの発生を抑えることができ、腐らせないようにできるのか調べてみようと思いました。

実験のやり方

・食パンを使ってカビがどのように発生するのかを観察する

・抗菌作用や防腐作用があるとされている食品と一緒にしたときカビの発生はどうなるのか確認する

・1週間実験を行ないカビの発生を抑制する食品があるのか確認する

実験の予想・仮説

おにぎりに食塩や梅干しを使うのは、傷むのを防ぐために使うとお母さんから教えてもらったことがあります。カビの発生や腐食を抑える効果がある成分が含まれていると思うので、カビは生えないと思います。ニオイの強い食品はカビが生えにくいのではないかと思う。

実験の準備

食パンを乗せる台を作る

プラスチックコップの底のサイズによって大きさが違ってきますが、キャンプやパーティーなどで使う使い捨てコップを今回は使いました。アルミニウムはくの高さも考えてサイズを決めます。プラスチックコップの底が3cm、アルミニウムはくの高さが2cmほどなので、これを考慮して厚紙を切ります。

厚紙を長さ8cm、幅2cmに切り分けます。両端から2.5cmのところで折り曲げてコップの中に入れてみます。一緒にアルミニウムはくも入れてセットしてみて確認してみます。

セットした状態を横からみた画像です。

食パンを切る

食パンの耳を切り取り、3cm幅に切り分けます。実験に使うだけの個数を準備します。

準備したものをセットする

準備したプラスチックコップ・台・アルミニウムはくです。

アルミニウムはくの中に準備した食品を入れます。

アルミニウムはくに食品を入れたら、コップの中に入れます。

アルミニウムはくを入れたコップの中に厚紙で作った台をセットします。

台の上に3cm角に切り分けた食パンを1つ乗せます。

乾燥しないようにサランラップをして輪ゴムでコップの口部分を止めたら実験準備ができました。これを、準備した食品すべて行います。

全部セットしました。それぞれのコップには、何の食品を入れたのか分かるようにマジックで書いておくといいです。

実験結果

準備したコップは台所において観察しました。観察するときは、エアコンが効いている部屋ではないところにおいて観察します。

カビが生えたかを一覧表にまとめてみた

食品 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目
なし × × ×
唐辛子 × × ×
こしょう × × × ×
食塩
カラシ
にんにく × ×
わさび
しょうが × × ×
梅干し
レモン汁 × × × ×

◯・・・カビの発生なし
△・・・少しカビが生えた
×・・・大量にカビが生えた

カビが生えた状態を「◯」「△」「×」で表しました。2日目までは、どの食品でもカビは生えていませんでしたが3日目からカビが生えてきました。3日目以降からカビが発生するスピードが早くなりました。

カビの生え方を写真で確認する

食品 3日目 5日目 7日目
なし
唐辛子
こしょう
食塩
カラシ
にんにく
わさび
しょうが
梅干し
レモン汁

3日目からカビが生えてきました。何もなし・とうがらし・こしょう・にんにく・しょうが・梅干し・レモン汁でカビが確認できました。レモン汁は黒いカビと一緒に黄色く変色しています。カビが発生した食パンを観察すると黒カビが点々と発生しています。

5日目になるとカビが広範囲に広がっています。梅干しも点々と黒カビが発生しました。

7日目になるとカビが生えた食パン全体に広がっています。にんにくと梅干しはカビが生えましたが量的には少ないです。7日経ってもカビが生えなかったのは、塩・からし・わさびの3つの食材でした。レモン汁は黒カビと白カビ・緑色のカビなど多数のカビが生えたことを目で確認できました。

感想・考察

カビは主に黒カビと白カビが生えました。3日目から徐々に増えて観察を始めてから1週間経つと食パン全体にカビが発生しました。

塩・からし・わさびと一緒に入れた食パンにはカビが生えなかったし、ニオイを確認したけど問題なさそうだった。

梅干しは抗菌作用があるが3日目にしてカビが生えました。食パンには触れていないためカビが生えてしまったのでは無いかと思いました。ご飯などに混ぜることでカビを抑制する効果はあると考えられます。実験して検証してみるのも面白いと思いました。

カビが生えなかった食品にはどんな効果があるの?

塩と一緒に入れた食パンにカビが生えなかったのは、塩に防腐効果があるからです。塩の浸透圧により微生物の水分が細胞の外に出されてしまうため、細菌やカビなどの微生物が死滅する働きが防腐作用になっています。

からしとわさびは辛味成分の中に含まれているアリルイソチオシアネートという成分が含まれています。この成分には抗菌作用があることが分かっていて、辛味成分を使った抗菌シートが実用化されています。

[ad下]

まとめ

にんにくにも抗菌作用がありますが、今回使ったのは練りにんにくだったので、通常のにんにくを細かく刻んたもので実験したら結果が変わったかも知れません。食パンを長持ちさせるために、塩・からし・わさびを使うことは現実的ではありませんね。

1枚ずつラップに包み、保冷用パックに入れて冷凍保存することで長持ちさせることができます。保存期間は1ヶ月から2ヶ月です。

自由研究の発展課題として、カビの種類別に発生状況を確認したり、カビが生えなかった食品を使って食パンまでの距離を変えてカビの生え方を確認したり、カビが生えやすい条件を調べてみたりするといいと思いました。

[PR1]