夏休みの自由研究で理科実験をテーマに何をしようと考えていたとき、簡単にできる塩の結晶を作ってレポートをまとめてみようと思いました。モールとかを使って塩の結晶作りをしてもいいと思いましたが、塩の形を知るための実験にしようと思います。結晶ということで、顕微鏡などがないと見れないと思うかも知れませんが大きな結晶になりますので必要は無いです。顕微鏡を持っていれば塩の結晶の画像を詳細に観察することができると思いますが、今回は簡単な作り方とデジカメで撮影した画像を使って実験レポートをまとめたいと思います。
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塩の結晶の作り方の基礎データ
難易度 | 簡単 |
---|---|
対象 | 小学生3年生以上 |
実験期間 | 3日~ |
テーマ | 実験・観察 |
費用 | 0円 |
塩の結晶は作り方を観察するだけなら1年生でも出来る自由研究です。低学年はモールを使って好きな形の塩の結晶作りをするといいと思いますが、実験レポートとしてまとめるのであれば、3年生以上であればできるのではないかと思います。
塩の結晶の実験レポートをまとめていますが、3年生や4年生の自由研究課題としては難しいと思われる部分は簡略化したり、省いてまとめるといいと思います。
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用意するもの
材料 | 個数 |
---|---|
水 | 100cc |
塩 | 40g |
計量カップ | 1個 |
透明なコップなど | 2個 |
スプーン混ぜる用 | 1個 |
実験をするにあたり、どのようなパターンの実験をするのかを考えておくといいです。
塩の種類を変えたり、塩分濃度を変えて同じ条件で塩の結晶を作ったり、場所を変えて結晶ができるまでの時間が変わると変化があるのかを調べたりと塩の結晶を作るときの条件を変えて行うと比較検討しやすっくなります。
実験に必要なだけの透明なカップを準備するようにしましょう。
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塩の結晶を作る実験
目的・きっかけ・動機
理科の授業で結晶の作り方があり興味を持ちました。雪の結晶を観察するというものでしたが、雪の結晶を観察することは夏休みには無理なので、塩の結晶を作ってみたいと思いました。雪の結晶は様々な形がありますが、塩の結晶も様々な形があるのかどうか調べたいと思います。
実験のやり方
塩の結晶の作り方の実験では、家にある食塩を使って作りたいと思います。結晶を作るときの速さで結晶に違いが出るのか比較するため、室内と外の2箇所で結晶を作り、1日1日塩の結晶の出来具合を観察していきます。
今回は、室内と外の2箇所で塩の結晶の出来具合を観察する塩の実験ですが、他にも以下のような実験をすると面白いと思います。
・塩の種類を変えて、結晶の大きさや色などを比較する
・同じ塩で塩分濃度を10%、20%、30%と変えて結晶を作ってみる
・カップに入れる食塩水の量は同じで深いものと平べったいもので比較する
塩の結晶の違いを予想する
室内と外で結晶の違いを比較するときの違いは、水分の蒸発量の違いだと思います。外のほうが早く水が蒸発して塩の結晶ができますが、水分が無くなるのが早いから塩の結晶は小さいものが複数できると思います。
逆に室内のほうは、ゆっくりと水が蒸発するため塩の結晶が多くなるのではないかと思います。
実験の準備をする
計量カップに100ccの水を入れます。
塩40gを計量器で測って、100ccの水の中に入れます。
スプーンなどでよく混ぜます。右回り10回、左回り10回ずつ繰り返し行い100回程度混ぜるといいです。
100回混ぜたら20分~30分ほど置いておきます。
20分~30分後、塩水の下に塩が溜まっています。水に溶けなかった塩が下に溜まった状態です。これを飽和食塩水といい、水にこれ以上塩が溶けない状態です。
透明なカップ2個に飽和食塩水の上澄みだけを入れます。今回は2個のカップに入れるので計量器で50ccずつ量って入れました。同じ量にすることで室内(屋内)と外での水の蒸発の速さや塩の結晶の出来具合を比較することができるからです。
分かりやすいように室内用と外用のシールを貼って準備完了です。
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塩の結晶の観察記録
日数 | 室内 | 室外 |
---|---|---|
1日目 | ||
【観察記録】 室内:泡のような小さな結晶がたくさんできました。 室外:コップの周りに大きな結晶ができています。 |
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2日目 | ||
【観察記録】 室内:1日目よりも多くの小さな結晶ができています。 室外:コップの周りと底に結晶ができ水が半分まで減っています。 |
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3日目 | ||
【観察記録】 室内:1粒1粒が大きな結晶になってきました。 室外:水分が無くなり塩の固まりが周りと底にできました。 |
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4日目 | 3日で終了 | |
【観察記録】 室内:カップの周りに透明な結晶が大きく成長しています。また、底の結晶の量も増えていますが、水面に出来た塩の結晶が大きな1枚となって底に沈み、底の結晶と1つになり大きな塊になっているような感じがします。 |
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5日目 | 3日で終了 | |
【観察記録】 室内:水分はまだ1/3程度しか蒸発していませんので、この状態なら15日程度、約2週間ほど水分が無くなるまで掛かりそうです。写真の左下に大きな塩の結晶が出来てました。水面の水が蒸発して水面に塩の結晶の膜ができ、重みで下に沈むため、その平らな結晶が底の部分で層になっているような感じがします。 |
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6日目 | 3日で終了 | |
【観察記録】 室内:塩の結晶が氷柱(つらら)のように伸びてきました。外に置いておいた塩水には見られなかった現象です。少しずつ水分が蒸発することで塩の結晶の先端部分の結晶がつながっているようです。また、外に置いておいた塩水は下にたくさんの塩の結晶ができていましたが、底がまだ見えます。 |
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7日目 | 3日で終了 | |
【観察記録】 室内:観察しはじめて1週間が経ちました。氷柱状の塩の結晶は大きく成長してきました。このままいくと、塩の結晶のトンネルができそうです。画像・写真の右側に少し上方向に塩の結晶が伸びてきているような感じがします。 |
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8日目 | 3日で終了 | |
【観察記録】 室内:写真の右側、明らからに塩の結晶が上に登ってきました。左側も1本、塩の結晶が上に向かって伸びています。特に容器を傾けて塩水が付いたということはなく自然の上に向かって結晶ができてきました。 |
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9日目 | 3日で終了 | |
【観察記録】 室内:氷柱(つらら)状の塩の結晶は底に溜まった結晶と一部繋がったようです。屋外に置いた塩の結晶では見られなかった塩の結晶の動きがたくさんあります。 |
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10日目 | 3日で終了 | |
【観察記録】 室内:10日目にして室内に置いた食塩水がすべて無くなりました。2週間程度掛かるかなぁと思っていましたが天気が良い日が続いたことから水分が蒸発する速度が早くなったと思います。塩の結晶が上に伸びてきた理由は調べても分からなかったので理科の先生に聞いたら、水分が蒸発する際に横についている塩の結晶に付いては乾燥して、水分に含まれていた小さな塩の結晶がくっついてできたのではないかということでした。 |
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塩の結晶はどんな形をしているのか?
塩の結晶を作ってみたら、塩の塊ができました。でも、その途中では四角い形の結晶ができていましたが、元々の塩の結晶とはどんな形をしているのか調べてみました。
塩の結晶は塩素とナトリウムという原子が規則正しく並ぶことで立方体の形になっています。とても小さな塩の結晶の粒が集まってできるのが観察記録で画像として、目で見えるような大きな結晶になっていきます。
つまりは、サイコロ状の塩の結晶が基本となって、そこに他の塩の結晶がくっついて成長し、大きな塩の結晶になるということです。
その成長過程でサイコロの形は様々な形に固まっていきますが、1つ1つの塩の結晶の形はサイコロ状の正六面体です。
より詳しくすると、食塩はナトリウムと塩素からできています。ナトリウムはナトリウムイオンでプラス因子、塩素は塩素イオンでマイナス因子を持っています。物質を構成している原子や分子・イオンは規則正しく並ぶ性質を持っていますので、ナトリウムイオン(プラス)と塩素イオン(マイナス)が引き合い規則的な並び方をした状態が塩の結晶です。
形 | イラスト | 画像 |
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正六面体 サイコロ状 |
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トレミー状 ピラミッド状 |
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フレーク状 薄い板状 |
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球状 | ||
柱状 | ||
樹枝状 | ||
凝集塩 | ||
粉砕塩 |
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塩の結晶はなぜ出来たのか?
水に塩を溶かしたときは透明な水でした。でも、日に日に塩の結晶が出来てきましたが、なぜ、塩の結晶ができたのでしょう?
食塩水を準備したときに飽和食塩水を作りましたが、これがポイントです。
水の中にこれ以上食塩が溶けない状態にすることで、カップの中の水分が蒸発すると、つまりはカップの中の水は気温によって少しずつ蒸発して液体から気体になり減っていきます。水は減っても塩は蒸発しないため、減った水に溶けきれなくなった塩が個体として姿を表します。最初は目に見えない小さな結晶ですが、小さい結晶の周りに結合する性質があるので徐々に目に見える大きさに成長していきます。
飽和食塩水は、100ccの水に約36gの塩が含まれた状態です。塩分濃度は36%ですが、水分が蒸発してしまうと塩分濃度が高くなりますよね。水分が10cc蒸発して無くなり液体が90ccになると塩分濃度は40%になります。飽和食塩水の塩分濃度は36%なので4%分の食塩は水に溶けないため固体として出てきます。これが塩の結晶ですね。
結果・考察・感想
塩の結晶を作る速さの違いで、塩の結晶の形や色の違いはありませんでした。ただし、結晶を作る環境によって結晶が結合する形が異なるため、水分が蒸発する早さによって形の違う塩の結晶ができます。
ゆっくりと時間を掛けて結晶を作ったほうが、より大きな結晶が作れますので、モールなどで形を作って塩の結晶を付けるときには1週間とか2週間という期間で行うとモール全体に塩の結晶がくっついて綺麗に成長すると思います。
平らな容器で結晶を作れば、塩の結晶が横に広がるので平らな結晶になりますし、深さのあるコップなどで結晶を作ると塊のような形の塩の結晶になります。綺麗なサイコロ状の結晶やピラミッド形などの結晶は途中で取って観察するようにすると様々な形の結晶を観察することができると思います。最後まで水分を蒸発させてしまうとただの塊になってしまう可能性があります。
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まとめ
簡単にできる自由研究テーマとして「塩の結晶の作り方」を実験・観察しました。材料は家にあるものを使えばいいですし、夏の天気のよい日なら3日もあれば、水分が蒸発して容器の中は全て塩になります。
観察して結晶ができる記録を観察日記として残し、なぜ塩の結晶ができるのか、どんな形の結晶ができるのか、上手に塩の結晶を作るコツなどをまとめると実験レポートとして書きやすくまとめやすいです。
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