理科の自由研究で「ものが立体的な映像」に見える3Dの仕組みを知りたい、3Dの秘密を理解したうえで、自分でも3D画像が見える実験をしたいと思います。今はゲームでも3Dに見えるものもあったり、映画館でも3D映像で見ることができるため、小学生や中学生でも目にすることが多いと思います。でも、その3Dの仕組みについては詳しく知らない、分からないことが多いので、その仕組み・秘密について調べてみたいと思います。

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3Dの仕組みの実験の基礎データ

難易度 普通
対象 小学生高学年以上
実験期間 1日
テーマ 実験
費用 1,300円

3Dの仕組みを知るための実験方法は、3Dメガネを作ったり、3Dプリンターの仕組みを調べたりとありましたが、今回使用したのは市販の実験キットの「3D写真を作ろう」です。基本的な3Dの仕組みと自分で3D用の写真を撮影して、3D画像を見ることができる便利な市販キットです。まずは、この実験キットを使って基礎知識を学んでから、自分の疑問ややってみたいこと、もっと調べたいことに広げていくとスムーズに行えると思います。

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用意するもの

材料 個数
実験キット「3D写真を作ろう」 1個
デジカメ 1台
プリンター 1台
セロハンテープ 1個
はさみ 1つ

実験キット「3D写真を作ろう(学研)」だけでも十分に3Dの仕組みを理解し、学ぶことができますが、仕組みを知るだけではなく自由研究なので自分でも作ってみて、どうしたら3D画像・写真を見ることができるのかもするといいです。そのために、撮影用のデジカメと印刷用のプリンターも準備しておくといいです。

ものが立体に見える3D映像の仕組みの自由研究

自由研究の目的・きっかけ

映画館に行って3D映像の映画を観たときにビックリしました。人や建物、動物などが画像から飛び出してきました。今まで観ていた映画とは違い、立体的で奥行きがあり、浮いて見えたり、画面から飛び出てきたりする不思議な3D画像を見て、どうして立体的にものが見えるのかを調べてみようと思いました。3Dの仕組みを調べるのと一緒に、自分でも3D画像を作って見たいと思います。

調べたこと

実験キットや本、インターネットを使って3Dの仕組みを調べました。

映像・画像・写真などが立体的に見えるのは、「立体視」という目の仕組みによるものです。これは、右目と左目で見ている角度が少し違うことで物体を立体に見ることにつながっています。目から入ってきたわずかに違う映像を合わせて見ることで立体的な映像と脳が感覚として見せています。この右目と左目で見ている映像がわずかに違った角度から見ることを視差(しさ)といいます。この視差により3D映像を見ることができます。

実際に部屋のスイッチで試してみました。両目で見たときはスイッチの上に人差し指がありましたがありましたが、左目だけで見るとスイッチの右側に、右目だけで見るとスイッチの左側に指がありました。これが視差という仕組みで、この仕組みを使うことで映像や画像が立体的な3D画像に見えます。

実験1 実験キットを使って3D写真を見てみる

市販の実験キットにある3Dメガネを作り、3Dカードを見てみると立体的に見えました。このカードの同じに見える画像が視差を利用した写真になっていて、それをみることで立体的に見えるのだと思います。

3Dとして見るためには、寄り目にしたり、目を動かして焦点の位置をズラしていくと立体に見えるところがあるので、その場所を見るける必要がありますが、簡単に合わせることができました。

実験2 3Dカードの左右の写真の違いを確認してみる

左側にある写真をトレーシングペーパーで書き写して、右側にある写真の上に乗せて見ました。ちょっと分かりにくいですが、少し写真の角度が違います。これは、視差を活用している写真です。左側の写真は左目の位置から見た写真で、右側の写真は右目の位置から見た写真です。この2つの写真を見ることで、脳が2つの映像を1つにすることで立体的な映像に見えます。

実験3 3D写真を市販キットを使って撮影してみる

市販キットに同封されている台紙を使ってデジカメで撮影した写真を、カットフレームを使って切り抜き、左目用は左側に、右目用は右側に置いてセロハンテープで貼り付けます。

この貼り合わせた写真を3Dメガネにセットして見てみました。すると、立体的に映像を見ることができました。自分で撮影した写真を立体的に見ることができました。視差という目の仕組みを利用することで、簡単に立体的な映像を見ることが出来ることが分かりました。

自由工作で作った牛乳パックの観覧車を立体的に見てみようと思い、同じように撮影してみました。撮影するものが大きいと撮影物までの距離が遠くなるので、左目用と右目用の撮影するデジカメの位置は50cm~1mほど横にズラして撮影するといいです。被写体が近いときは、目の間隔の6.5cmズラすと上手くいきます。

立体的に見たいものを1回撮影した場所から、左右どちらかに動かして撮影して、印刷したら貼り合わせて3Dメガネで見ます。立体的に見えるときと見えないときがありました。移動させて撮影する距離・位置で見え方が違ってくるようです。観覧車の撮影のときには、観覧車からカメラまでの距離は1mでデジカメを横にズラして立体に見えたのは25cm~30cmのときでした。

実験で難しかったことや工夫したこと

立体的にものを見るために自分で撮影したものを、2枚並べて見ても始めは立体的に見ることができませんでした。被写体とカメラの距離で、撮影する左右の距離が視差の範囲から外れてしまったりすると立体的に見えないことが分かりました。自分で写真撮影をするときは、1枚目に撮影したところから、距離を離しながら何枚か撮影して立体的に見える距離を確認するようにしました。

実験で分かったこと

観覧車を立体的に見るためにデジカメで撮影した写真を手書き風に加工し、観覧車の軸受け部分を合わせて見ました。右と左の写真の輪郭が違うため、少しズレたものになっています。この画像のズレが立体に見える要因になります。今回は2枚の画像のズレを使って3D画像を見る方法を実験しましたが、3Dメガネの赤いレンズや青いレンズで見るのも、左右で見える映像を変えることが立体的に見せる方法です。

撮影する際の横移動する距離さえ合えば、比較的なんでも立体的に見えることが分かりました。特に立体的に見えやすいのは奥行きがあるものを撮影すると、飛び出して見えます。

水族館などの魚やイルカを撮影して立体的に見えるようにすると、もっと楽しみがありそうです。

感想

実験結果から、3Dの仕組みと自分でも3D写真を撮影して立体的にみることができました。左目用と右目用の写真を入れ替えて見てみました。市販キットに入っていた写真を入れ替えても同じように立体的に見えました。

でも、実験3で自分で撮影したコーンの写真を左右入れ替えて見てみたら、4つあるはずにコーンが3つしか見えなかったり、2つしか見えなかったりしました。特に一番手前にある赤いコーンが見えたり、見えなかったりしました。これは、2枚入の写真のズレが大きいことから2枚の画像が一致するところははっきりと見え、大きくズレている赤いコーンは見えたり、見えなかったり、青いコーンの先端が赤くなったりする現象がありました。

目の錯覚を利用した絵やアートを見たことがありますが、とても不思議なものです。自分でも作れることを知り、楽しく実験することができました。

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まとめ

「3D写真を作ろう」の市販の実験キットの対象年齢は小学校3年生以上になっています。実験キットの内容だけを行なうのであれば、3年生からでも問題なく出来ます。それに、ガイドブックや自由研究のまとめ方実例レポートも入っているので、何を実験しないといけないのか、どんな仕組みになっているのか、準備するものは何か、などすべて教えてくれます。

ただ、高学年や中学生が実験キットを購入して自由研究を行なうのであれば、基本的な実験内容だけではなく、自分で作ってみる、他にも実験内容を見つけて自分で行なってみる、立体的に見えなかった原因と解決策、近くのものと遠くのものの撮影方法、横にズラす距離などについても色々と調べてまとめると良いと思います。

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