夏の暑いときにはアイスやかき氷を食べますし、飲み物には氷を入れて冷たくして飲みますよね。

氷にはいろいろなものがあり、身の回りにある冷たい氷には様々な性質があります。

冷蔵庫にある普通の氷と、キッチンにある砂糖と塩を使った砂糖水や食塩水を凍らせて作った氷と比較して違いを調べてみたいと思います。

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水溶液が凍るまでの時間と濃さの関係の基礎データ

難易度 やや難しい
対象 小学校5年生以上
実験期間 2日
テーマ 実験
費用 500円

実験は、道具と材料が揃えば、あとは根気よく繰り返し実験を行なうだけですが、夏の自由研究のテーマにするときは氷が溶けやすいので科学実験を行なうときに素早く行わないといけませんね。

実験日数は、余裕をもって2日にしましたが1日でもできる内容です。

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準備する道具

材料 個数
砂糖 275g
食塩 415g
大量に
試験管 6本
製氷皿 1個
温度計 1本
針金 1本
ボウル 1個
プラスチック製コップ 12個
時計 1個
計量器 1個

食塩は1日で終わらせるなら500gあれば足りますが、2日に分けて行なうなら合計1kgは準備しておいたほうがいいです。

氷は大量に準備しておいたほうがいいので、製氷皿がいくつかあれば作り置きしておき、実際に使うボウル2つ分の氷があるといいです。

水溶液が凍るまでの時間と濃さの関係を調べる

水溶水を作る濃度(食塩水・砂糖水)

今回作る水溶液は、食塩水・砂糖水ともに10種類を作って調べたいと思います。

食塩水の濃度

食塩 食塩水
1g 100g 1%
2g 100g 2%
3g 100g 3%
4g 100g 4%
5g 100g 5%
6g 100g 6%
7g 100g 7%
8g 100g 8%
9g 100g 9%
10g 100g 10%

食塩水の濃度は1%~10%までの10パターンで調べてみます。

砂糖水の濃度

砂糖 濃度
5 100 5%
10 100 10%
15 100 15%
20 100 20%
25 100 25%
30 100 30%
35 100 35%
40 100 40%
45 100 45%
50 100 50%

砂糖水の濃度は5%~50%までの10パターンで調べてみます。

食塩水・砂糖水を作る

食塩水1%の濃度の水溶液の作り方を紹介しますので、同じように他の濃度の水溶液も作っていきます。

計量器にプラスチック製コップを乗せて食塩を1g入れます。

食塩1gの中に水を100cc入れて、食塩水1%の水溶液を作ります。

この手順で食塩水1%~10%までの10個と、砂糖水5%~50%までの10個の水溶液を作りますが、食塩・砂糖と水の量はできるだけ正確にはかってを下記に表にしておきます。

コップの底に塩や砂糖が溜まっていたら、水に溶けるまでよくかき混ぜておきます。

そして、どのカップが何%の食塩水または砂糖水なのかが分かるように付箋などを貼っておくといいです。

常温の水を準備する

プラスチック製のコップ1個に水道水を入れて、常温にしておきます。

この水は、凍らせる水溶液を一定の温度に保つためのものになります。

試験管に2ccの水溶液を入れる

水分を綺麗に拭き取ったコップを計量器に乗せて2ccの水溶液を注ぎ入れます。

コップに入れた2ccの水溶液を試験管に入れます。

メモリが付いているスポイトがあるといいですが、無いときにはコップと計量器でもいいと思います。

ただし、濃度が変わらないようにするために下記の手順で試験官に水溶液を注ぎ入れます。

【試験管への水溶液の入れ方】

・コップの水分を綺麗に拭き取る
・コップに計量器を乗せて2cc(2g)を量り入れる
・コップに入った2ccの水溶液を試験官に移す
・試験管に水溶液の濃度が分かるように紙を貼る

・コップに残った水分を綺麗に拭き取る

試験管に入れる水溶液の濃度が変わらないように、コップは必ず拭いて水分を残さないようにします。

水溶液を入れた試験管を常温の水に入れる

試験管に2ccの水溶液を入れたら、常温の水が入っているコップに入れておきます。

水溶液を凍らせるときに条件を同じにするために、温度を全て一定に保つために行ないます。

水溶液を冷やすための寒剤の作り方

ボウルに氷と食塩を1:1の割合で入れます。

私は今回、氷400gに対して食塩400gを入れました。

氷と食塩を1:1で入れたら、水を少し入れます。

今回、水は130cc入れました。

プラスチック製のコップに氷と食塩を1:1で入れたら、水を少し入れます。

今回は、氷30g・食塩30g・水20ccを入れました。

氷・食塩・水を入れたボウルの真ん中に、氷・食塩・水を入れたコップを入れます。

倒れないようにコップの下に氷などが入らないように注意しましょう。

これで寒剤の出来上がりです。

実験1:水溶液が凍るまでの時間を調べる

試験管を寒剤に入れて調べる

ボウルの中に入れたプラスチック製コップの中に食塩水1%の試験管を入れて冷やします。

試験管を入れたら、凍るまでの時間をはかるので時計かストップウォッチを準備してから試験管を入れましょう。

凍ったかどうかの確認は試験管を少し引っ張り出して、凍っているかを確認します。

試験管は全てを出さないで、冷やした状態で確認するようにします。

「凍った水溶液」と「凍ってない水溶液」は、見た目で違いが分かります。

試験管の中の水溶液が凍っていたら、時間を確認して何分で凍ったのかを記録しておきます。

凍るまでの時間は2回はかって、その平均時間を水溶液が凍るまでの時間とします。

実験を繰り返していると水の量が増えてきます。

水の量が増えてきたら水を捨てて、氷と塩を足して実験を続けていきます。

食塩水が凍るまでの時間

濃度 凍るまでの時間
1回目 2回目
0% 1分5秒 1分20秒
1% 2分20秒 3分30秒
2% 2分50秒 1分50秒
3% 9分10秒 8分30秒
4% 9分 7分40秒
5% 8分50秒 9分
6% 10分経っても凍らず
7% 10分経っても凍らず
8% 10分経っても凍らず
9% 10分経っても凍らず
10% 10分経っても凍らず

砂糖水が凍るまでの時間

濃度 凍るまでの時間
1回目 2回目
0% 50秒 1分5秒
5% 1分15秒 1分50秒
10% 1分30秒 1分40秒
15% 1分25秒 2分
20% 2分30秒 3分5秒
25% 2分10秒 2分50秒
30% 3分 3分40秒
35% 3分5秒 4分10秒
40% 5分 5分20秒
45% 6分 5分50秒
50% 7分 8分30秒

実験結果:食塩水と砂糖水が凍るまでの時間

食塩水と砂糖水が氷になるまでの時間を実験で確認しました。

実験を行なうにあたり条件を同じにしました。

・試験管に入れる水溶液は2cc
・試験管に入れた水溶液の温度を常温にする

氷水(寒剤)の温度は-15℃~-7℃でした。

実験1で確認した濃度の濃さが違う水溶液が凍るまでの時間を食塩水と砂糖水でグラフにしてみました。

【食塩水の濃度別の凍るまでの時間】

【砂糖水の濃度別の凍るまでの時間】

食塩水と砂糖水の濃さと氷になるまでの時間について

実験1で行なった、食塩水と砂糖水の濃さの違いによる氷になるまでの時間について、濃度が低いほうが凍りやすいですが、必ずしも濃度が低いほうから高いほうに順番に凍っていくわけでは無いことがわかります。

実験結果:食塩水と砂糖水で凍るまでの時間を比較

食塩水と砂糖水を濃度と凍った時間までをグラフにしてみました。

食塩水の6%以上は10分以上、氷水に浸けておいても凍らなかったですが、今回の実験では濃度が高くなると凍るまでの時間が長くなることが分かります。

氷水の温度を一定に保つことができなかったことが凍らなかった原因の1つかも知れません。

感想・考察

砂糖水と食塩水を凍らせたところ、濃度が濃い水溶液ほど氷になるまでに時間が掛ることが分かりました。

でも、今回の実験では濃度が薄いものから濃い順番に凍っていくということではなく、先に濃度が濃いものが凍ることもありましたが、濃度が薄いものは凍るまでの時間が短く、濃いものほど凍るまでの時間が長いことが分かります。

なので、砂糖水と食塩水の水溶液の濃度の濃さと凍りやすさ関係性があると言えます。

食塩水の濃度6%は、10分経過後は放置して1時間後に試験管を確認してみましたが全く凍っていませんでした。

氷水の温度は-7℃でしたが凍りませんでした。

反省点

氷水(寒剤)の温度を一定に保つ

氷水の温度が一定にならず、はじめは-15℃と低い温度でしたが、時間とともに温かくなり濃度が濃い試験管を入れるときには-7℃になっていたことが食塩水6%以上の濃度の水溶液が凍らなかった原因の1つかも知れませんので、氷水の温度を一定にすることまたは、濃度が濃いものから実験するようにしたら氷になっていたかも知れません。

凍るまでの時間を正確に計る

今回の実験では、氷水に浸けた試験管を不定期に覗いたり、持ち上げてみて凍っていないかを確認したため、凍るまでの正確な時間ではありません。

実験中、凍らなかった試験管を振ってみたら一瞬で凍った試験管があり、刺激を与えることと凍ったことを確認するために針金を入れて凍ったら試験管ごと持ち上がってきた時間を計測するというほうが正確だと思いました。

実験2:水溶液の濃さと氷の溶け方

製氷皿に水溶液を入れて凍らせる

画像は食塩水を製氷皿に入れたときのもので、濃度の濃さ別に2個の氷を作ります。

製氷皿が2つあれば、砂糖水も一緒に作るといいですが、1つしかなければ食塩水が凍ったら砂糖水も同じ濃度の氷を2個ずつ作ります。

製氷皿に水溶液を入れるとき、他の濃度の水溶液が混ざらないように深さの半分ほど入れて凍らせるといいです。

濃度別での氷の硬さを調べる

食塩水と砂糖水が凍ったら、氷を触ってみて硬さを確認しましょう。

濃度が薄い氷と濃度が濃い氷では、氷の硬さに違いがあるのかを調べて見ましょう。

濃度の違う氷の溶け方を調べる

水道水を入れたコップと、濃さの違う水溶液が入ったコップを並べます。

画像・写真の水溶液は「砂糖10gを溶かした水溶液」のコップなので、氷も砂糖10gを溶かした氷を取り出します。

砂糖10gを溶かした水溶液の氷を、水道水と砂糖10gを溶かした水溶液に入れます。

このとき、

・氷は浮くのか、沈むのかを確認します
・水溶液の濃度に違いによる溶け方は違うのか

について確認します。

実験結果

実験2:水溶液の濃さと氷の溶け方の実験結果を食塩水と砂糖水で表を作成してみました。

氷の硬さについて

食塩水と砂糖水の水溶液で作った氷は濃度が薄いと硬く、濃いと柔らかい氷になり、さらに下記のような特徴がありました。

・食塩水の氷はサクサクとしていて崩れやすい
・砂糖水の氷は水あめのようでねっとり感がある

食塩水と砂糖水の氷は、濃度が高くなっても氷になりましたが、カチカチに凍るのではなく柔らかい氷になりました。

水溶液で作った氷の浮き沈みについて

水溶液で作った氷は、同じ水溶液の中と水道水に入れて浮き沈みを調べてみたら、食塩水は9%以上、砂糖水は20%以上の氷は水道水では氷が沈みました。

氷は、水に入れたら浮くと思っていましたが、水に溶けている成分濃度が高くなると水の底に沈むことが分かりました。

氷は水に浮くと思っていますが、これは体積が関係しています。

液体よりも氷の密度が高いため沈みます。

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まとめ

食塩と砂糖で作った水溶液で氷が出来るまでと、出来た氷の特徴について調べました。

氷を作るための氷水(寒剤)の温度をはかりながら行なうと、冷やす温度が一定になっているかを確認できるので実験がやりやすくなると思います。

実際に実験をしてみて、氷を大量に使うため氷の準備に時間が掛かります。

そのため、氷を作り置きしておくといいですし、できたら、寒剤を作るときのコップに入れる氷は細かく砕いたほうたいいかも知れません。

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