暑くなってくるとアイスが食べたくなりますよね。スーパーなどでアイスクリームを買ったとき氷を入れて冷やしながら持ち帰りますが、夏の熱い日差しに氷はあっという間に溶けてしまいます。歩いて20分程度ですが、家に着いたらすべての氷が溶けてしまっています。氷の溶け方についての実験をしてみようと思いました。氷のとけ方について調べることにし、実験は氷の入ったコップをアルミホイルなどで包んだり、塩や砂糖を付けて溶け方を観察したりしてみましたので目的・動機、実験方法、結果・考察など自由研究のまとめ方についてお伝えします。

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氷の溶け方調べの実験基礎データ

難易度 簡単
対象 小学生3年生以上
実験期間 2時間
テーマ 実験
費用 0円

氷が溶け方を調べるので、氷を作っておくことと家にあるものを使って実験することで費用を掛けずに研究をすることができます。調べる内容は簡単なものなので小学3年生以上からできると思います。1年生・2年生でも「氷とけ方」だけを調べるのであればできると思います。

氷の溶け方を観察して、イラストや写真・画像を使って溶け方をまとめていくことで自由研究レポートができます。

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用意するもの

【実験1:氷を包んで長持ちさせる材料】

実験1の材料 個数
24個
カップ 7個
計量器 1個
保冷用袋 1枚
布または
ハンカチ
1枚
ビニール袋 1枚
アルミホイル 1枚
新聞紙 1枚
気泡緩衝材
プチプチ
1枚

【実験2:氷をはやく溶かす材料】

実験2の材料 個数
16個
小皿 1枚
お盆 1枚
キッチンペーパー 3~4枚
小さじ1
砂糖 小さじ1
きな粉 小さじ1
小麦粉 小さじ1
片栗粉 小さじ1
はちみつ 小さじ1
ミョウバン 小さじ1

氷を溶かす実験は2つのパターンで研究を行ないます。実験を行なうにあたり氷がたくさん必要になりますので、前日の夜から氷を作っておかないと実験ができません。また、気温が高いと氷がすぐに溶けてしまい準備している間に溶けて実験が上手く行かないことがありますので実験を行なうときには時間帯にも注意しておきましょう。

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氷の溶け方の理科実験方法

目的・動機・きっかけ

暑い日に氷はすぐに溶けてしまいます。部活などで凍らせたペットボトルを持っていってもすぐに溶けてしまいます。そこで、暖かい場所に持っていた氷を長持ちさせる、溶かさないようにする実験と、氷をはやく溶かすときにはどうしたらいいのかという実験の2つを行ない、氷の溶け方の研究としたいと思います。

実験1:氷を包んで長持ちさせる材料

実験2:氷をはやく溶かす材料

実験1:氷を包んで長持ちさせる材料

1つ目の実験は、氷が溶ける時間を長くするのに最適な材料は何かを調べたいと思います。

実験のやり方・方法

容器に入れた氷の溶け方を調べます。実験方法は、氷が入ったカップ全体をあらゆるもので包んで、同じ時間でどのくらい溶けたかを調べます。1回では溶けた量を判断するのではなく、3回同じ実験を行ない平均の溶けた量で、一番氷を長持ちさせる材料を決めたいと思います。

実験を予想してみる

家にあるもので包めるような材料を探したら、保冷用袋・布/ハンカチ・ビニール袋・アルミホイル・新聞紙・気泡緩衝材(プチプチ)の6個が使えそうだったので、これらを使って氷が中々溶けない材料がどれかを実験しますが、よく使われている保冷用袋が一番溶けにくいのではと思います。

実験の準備をする

計量器(はかり)で使用するカップの重さを量ります。同じコップやカップを準備しても念のため、すべての重さを量ることで正しい計算をすることができます。

氷を入れたカップをすぐに包めるように材料を順番に並べて置きます。

カップの中に氷を2個から3個入れます。このとき、大きな塊の氷だけを入れるようにします。細かい砕けた氷は入れないようにします。

氷をカップの中にすべて入れたら素早く準備した材料でカップ全体を包みます。1個だけは包まないものを準備します。

実験方法

氷を入れたカップを材料で包みました。1つだけ、包まなかった氷は溶け具合を観察するためと溶け具合の基準にするためのものです。

30分経ったときに包んでいない氷の溶け具合を見ます。あまり溶けていないようであれば、もう少し時間が経ってから様子を見ましょう。30分では溶け具合が足りないかなぁと思ったので45分後に実験を終了しました。

ちなみに今日の気温29.1℃でした。

包んでいた材料を全て取ったら、カップの中の氷を取り水だけにします。

氷を除いたカップを計量器(はかり)で量ります。氷を取り除いた重さが17gですか、実験をはじめる前に量ったカップの重さ6gを引くので溶けた量は11gとなります。これを、ノートなどに材料別に溶けた量を記録しておきます。

結果

包んだ材料 氷が溶けた水の量(g)
1回目 2回目 3回目 平均
なし 11.0g 13.0g 13.0g 12.3g
保冷用袋 8.0g 7.0g 7.0g 7.3g
ビニール袋 8.0g 8.0g 8.0g 8.0g
布・ハンカチ 9.0g 10.0g 11.0g 10.0g
アルミホイル 8.0g 9.0g 9.0g 8.7g
新聞紙 8.0g 9.0g 8.0g 8.3g
気泡緩衝材
プチプチ
8.0g 8.0g 8.0g 8.0g

考察

包んだ材料の中での順位は下記の通りです。

・一番溶けたのが布/ハンカチ
・一番溶けなかったのが保冷用袋

ハンカチは密封性が低いことや光を通したり、通気性が良く空気を通すため一番氷が溶けた量が多かったです。

保冷用袋は銀色のアルミニウムが光を遮り、熱を伝えにくいため溶けにくい環境を作ることができるのだと思います。実験が終わったあと保冷用袋を開けたら中がひんやりしていました。断熱効果があり、中の保冷効果を高めるのに保冷用袋は効果的なのだと考えます。

ビニール袋・アルミホイル・新聞紙・気泡緩衝材も何も包んでいない状態よりも遥かに氷が溶ける量が少なかったです。気泡緩衝材は空気の層で内側を保冷する役目もあるようで、開けたときに保冷用袋と同じように少しひんやりとした冷たい空気が指に触れました。透明なので光を通すことから保冷用袋よりも溶けた量が多かったと思います。

感想

氷を長持ちさせるためには、中に空気の層ができ、なるべく密閉できるほうが氷は溶けにくいことが分かりました。外側の暖かい空気が中に入ってしまう通気性の良い布やハンカチは包んだ中に空気が入るため、温度が高く氷が溶ける量も多いです。

密封性と光を通さない素材を使って包むことでより長く氷の状態を保つことができると思います。

他にもダンボール箱や発泡スチロール、日陰と日向、保冷用水筒などでも実験して比較してみると面白そうです。

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実験2:氷をはやく溶かす材料

2つ目の実験は、氷をはやく溶かすための材料は何かを調べたいと思います。

実験のやり方・方法

氷にあらゆる材料をまぶして、それぞれの溶け方を調べます。家にある塩や砂糖などを使うことで身近な材料で氷がはやく溶けるものと、溶けないものを調べたいと思います。

実験を予想してみる

氷に家にあった塩・砂糖・きな粉・小麦粉・片栗粉・はちみつ・ミョウバンをまぶして溶け具合の違いを観察しますが、塩が一番溶けにくいのではと思います。氷に塩を入れると0℃以下になり、さらに冷たくなるからです。自分でアイスを作るときに、その原理を使ったので塩が一番溶けにくいと思います。

実験の準備をする

濡れてもいいようなお盆と3枚から4枚程度のキッチンペーパーを準備します。あとチラシなど水に溶けにくい紙も用意しておくといいです。

お盆の上にチラシを置いて、その上にキッチンペーパーを重ねて置きます。

小皿に氷にまぶす塩や砂糖などを入れて、そこに氷を入れて全面に付くようにします。

転がすだけで氷に粉が付きます。あまり長い間、指で触っていると氷が溶けてきますので素早く作業します。

粉を付けたらお盆の上に並べます。何の粉を付けた氷なのか分かるように付箋などを使って分かるようにしておくといいです。

実験方法

上手く粉が氷に付かなかったものに対しては上からふりかけるようにしました。ミョウバンは氷に付かなかったのでふりかけましたが散らばってしまいました。あとは、30分ごとに溶け具合を観察し、溶け切ったとき、氷が無くなったときの時間を記録しておきます。

氷を2個準備したのは、溶ける速さに違いがあると思うので平均を求めるために複数の氷を準備しました。

種類 氷の溶け方の様子
0分 30分 1時間
なし
小麦粉
きな粉
砂糖
片栗粉
ミョウバン
はちみつ

結果

順位 種類 溶けた時間 気づいたこと
1 1時間27分 塩が付いたところから穴が空くように溶けていきました。氷の表面はキザギザになりました。
2 ミョウバン 1時間37分 氷の表面はなめらかなままで溶けていきました。氷の表面に粉類が貼り付いていた小麦粉が一番溶けるのが遅かったです。
3 砂糖 1時間39分
4 きな粉 1時間42分
5 片栗粉 1時間42分
6 なし 1時間46分
7 はちみつ 1時間50分
8 小麦粉 1時間55分

塩が一番早く氷を溶かすことが分かりました。普通の氷よりも粉類をふりかけたほうが早く氷が溶けました。でも、氷の周りにずっと貼り付いていた小麦粉は保冷効果により溶けるのが遅かったと考えます。

感想

予想していたのと違い塩が一番はやく氷を溶かしました。凝固点降下という働きが起こることで溶けていきます。食塩水は0℃では凍らずに0℃以下になっても水の状態です。そのため、塩を氷にふりかけても凍らないので熱を放出してしまい塩が付いた部分の氷は溶けてしまいます。そのため、穴が開いたように溶けていきます。溶けた水はただの水ではなく食塩水ですので、凝固点(融点)が低下し氷にならず水のままになります。すると、どんどん氷が溶けて水になるスピードが早くなることから一番はやく溶けてしまいます。

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まとめ

中学生や高校生であれば、凝固点降下についての説明をもっと詳しく書いたり、塩をふりかけた氷の変化のみを実験テーマにして取り組むと面白い自由研究課題になると思います。

実験レポートとしての書き方は、表を使ってどのように溶けたのかを分かりやすくしてあげるといいですね。それと一緒に変化について気が付いたことや疑問に思ったことを書いて、それを解決するさらなる実験や考え方などをまとめるといいです。

塩が早くとけるのはなぜか・・・ということをもう少し詳しく説明してあげると氷の溶け方の実験のまとめ方としてはいいと思います。

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